GDIグループダイナミックス研究所自分の中にもう一人の力持ちがいる

IT業界の女性管理職比率について

 

IT業界における女性管理職比率・割合の向上が進まない背景にはどのような要因があるのでしょうか。IT業界においても、他の女性活躍推進がなかなか進まない業種と同様の課題を抱えていると見ることができます。主な要因としては以下のような課題をあげることができるでしょう。女性従業員の少なさ、長時間労働の文化、昇進機会の不平等など、複数の要因が絡み合っているようです。

 

IT業界では、女性労働者の割合が他業種と比較して低い傾向があります。2019年の労働力調査によると、全就業者に占める女性の割合は45%であるのに対し、情報サービス業では25%と低水準です。  この背景には、理工系分野への女子学生の進学率の低さが影響しています。文部科学省の統計によれば、理工系学部進学者に占める女子の割合は約15%にとどまっています。  このように、業界全体で女性の人材プールが限られているため、管理職候補となる女性も少なくなることは、必然的といえるでしょう。また、長時間労働の文化もまだまだ根底にはあるようです。IT業界はプロジェクトベースの業務が多く、納期前の残業や不規則な勤務時間が常態化している企業も少なくありません。

 
 

このような労働環境は、育児や家庭との両立が難しく、女性が継続的に働く上で大きな障壁となっています。実際、IT業界で働く女性の中には、長時間労働や不規則な勤務時間が将来的な育児との両立に不安を感じるとの声が多くあります。  この結果、女性の離職率が高まり、管理職への登用も進みにくくなっています。

さらに、IT業界では、男性中心の企業文化が、これも根強く残っており、女性の昇進機会が限られているケースがあります。ある調査によれば、IT業界の上場企業における女性役員の割合は5.3%で、女性役員が一人もいない企業は6割にのぼります。  また、IT業界で働く女性の29.3%が「男性に比べて昇進の機会が少ない」と感じており、これが女性管理職比率の低さにつながっているといえるでしょう。

これらの要因が複合的に影響し、IT業界における女性管理職比率・割合の向上がなかなか進まない現状があります。今後、女性の理工系進学の支援、労働環境の改善、昇進制度の見直しなど、多角的なアプローチが求められます。「AIA心の冒険」研修では、女性管理職や女性リーダーのキャリア自律やリーダーシップ、目標創造などのテーマから組織の活性化を目的とした、セミナープログラムです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

   

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