GDIグループダイナミックス研究所自分の中にもう一人の力持ちがいる

女性リーダー育成のための研修に関するコラム

社内イノベーションは女性従業員の離職率が課題

 

女性従業員の離職率を低減させることが組織内のイノベーションにつながるのはなぜでしょうか。女性の視点や多様な経験が組織内に蓄積され、多角的なアイデアや新しい発想が生まれやすくなるためです。特に女性は、育児や介護といったライフイベントとの両立、あるいはキャリアの転機に直面する機会が多く、こうした経験は業務上の問題解決や新たなニーズの発見に貢献することがあります。組織にとっては、性別に関係なく多様なバックグラウンドを持つ人材が長く働き続けられることで、チームがより多様で豊かな視点を持ち、イノベーションの基盤が強化されます。

 

また、女性従業員が長期的にキャリアを築くことで、組織の中でリーダーシップを発揮する機会も増えます。女性リーダーが増えると、組織内で多様な価値観や柔軟な考え方が受け入れられやすくなり、新しいアイデアを尊重する風土が形成されます。さらに、女性が活躍できる職場環境は、柔軟な働き方の導入や仕事と生活の両立支援など、他の社員にとっても働きやすい環境改善を促進します。こうした変革が組織内に浸透すると、社員一人ひとりが自分の意見を発信しやすくなり、異なる発想が交わることで新しい価値が創造されやすくなります。したがって、女性従業員の離職率を低減することは、多様な視点を取り入れる土壌を整え、組織全体のイノベーション力を高める重要な要素となるのです。

 

離職率と女性リーダー育成について

 

企業内での女性活躍を推進させるために、離職率は課題になります。女性従業員の離職率を低減させる施策として、社員に内発的動機づけを持たせることが有効とされています。仕事に対する主体的な意欲ややりがいを感じることで、長く働き続けたいという意識が高まるためです。内発的動機づけが高まると、女性従業員は仕事を単なる義務ではなく、自己成長や自己実現の場として捉えるようになります。

 

その結果、仕事に対する満足感や達成感が増し、キャリアへの前向きな姿勢も育まれ、離職への意識が低下します。特に、女性がキャリアを継続するには、仕事と家庭や育児とのバランスが課題となることが多く、これが離職の一因になる場合もあります。しかし、内発的動機づけが高まると、仕事が自己実現の重要な要素としての意味を持つようになり、働き続ける意欲が強まります。また、職場で自己成長の機会や意見が尊重される環境があると、女性従業員は仕事に対するやりがいを感じやすくなり、「会社や社会の中で、自分の存在が価値あるものだ」という意識が芽生え、組織への愛着も深まります。

 

 

さらに、女性従業員のモチベーションが高まることで、組織も柔軟な働き方やキャリア支援策の導入に積極的になることが多く、ワークライフバランスの改善が図られる場合もあります。こうした職場環境や制度の整備が、女性従業員にとって働き続けやすい職場づくりに繋がり、最終的に離職率の低減に寄与します。「AIA・心の冒険」研修プログラムでは、離職率の低減のために多くの企業様で採用されています。内発的動機づけを女性リーダーの一人ひとりに持たせるためこのプログラムは、開発されました。

内発的動機づけとヒューマンエラーの関係

 

制度やマニュアル、システムなどが改善されても業務上のヒューマンエラーがあまり減少しないのはなぜでしょうか。それは、エラーの原因が単に手順や仕組みの問題ではなく、社員の心理的・行動的な側面や、組織の文化や風土に深く関わっていることが多いためです。業務の改善を図る際、制度や手順の整備はもちろん重要ですが、それだけでは根本的なヒューマンエラーの解決には不十分です。

 

第一に、義務的に行われる業務は、社員の内発的動機づけが低下しやすい点が問題です。内発的動機づけとは、社員が仕事に対して自主的な意欲や興味を感じることを指し、これが高いと業務に対する責任感が強まり、注意力も向上します。しかし、義務感や外的な圧力から行われる業務では、社員が仕事に没頭しづらく、形式的に作業をこなす傾向が強くなります。その結果、集中力が欠け、細かいミスや確認漏れが発生しやすくなるのです。システムがどれほど整備されていても、社員が主体的に取り組む意識が薄ければ、エラーの発生リスクは残ったままになります。

 

次に、制度やマニュアルが画一的な場合、業務の多様化や複雑なケースに対応しにくくなる点もエラーの一因です。業務の中には、突発的な問題や予想外の状況に柔軟に対応する力が求められる場面も多くあります。細かく指示されたマニュアルやシステムに従うばかりでは、社員が現場で判断力を発揮する余地が少なくなります。結果として、手順通りには対応できないケースで混乱が生じ、ヒューマンエラーが発生しやすくなるというわけです。システムが複雑すぎると、むしろ社員の負担が増し、結果的にエラーを誘発することもあります。さらに、組織文化や風土もヒューマンエラーに大きな影響を与えます。

 

たとえば、ミスや失敗を指摘しにくい雰囲気や、改善提案が歓迎されない風土では、エラーが見過ごされたり、隠蔽されたりするリスクが高まります。エラーの再発防止や業務の改善には、社員が安心して意見を共有し、問題点を率直に指摘できる環境も必要です。組織文化や組織風土の改善にも内発的動機付けが不可欠です。また、改善策が制度やマニュアルの整備にとどまると、こうした風土改革が進まず、エラーが根本的に解決されない結果にもつながります。以上のように、ヒューマンエラーの削減には、制度やシステムの改善だけでなく、社員の内発的動機づけを引き出す工夫や、現場の声を反映する柔軟な仕組み、そして意見を共有しやすい組織風土の構築が必要です。これらの要素が揃うことで、エラーの発生率が低下し、組織全体の業務品質向上が期待できます。

企業経営の逆境には「志」が不可欠

 

企業経営が逆境に陥った際には、社員一人ひとりに「志」「哲学」や「信念」が必要だといわれるのはなぜでしょうか。それは、社員全員が強い目的意識を持ち、組織全体が一丸となって難局を乗り越える力を生み出せるからです。逆境の時ほど、経営や仕事に対する意欲や士気が低下しがちですが、志を持つ社員は、「何のためにこの仕事に取り組むのか」「会社の成功にどのように貢献できるのか」といった強い信念を持ち、目の前の困難にも前向きな姿勢で対応することができます。志を持った社員は、困難に直面しても簡単に諦めず、新しい課題を発見し、粘り強くその課題解決に取り組む傾向があります。非常事態には、創意工夫や新たな視点が特に求められるため、社員一人ひとりが自らの役割に対して志などを持つことで、挑戦的な姿勢が生まれ、革新や改善につながる行動が促進されるのです。

 

これは、決して経営陣だけでなく、現場からも新しいアイデアや改善策が湧き出る環境を作り出します。企業全体で難局に立ち向かうための重要なエネルギー源となります。また、社員が志を持つことは、仲間同士の連携や助け合いを促し、組織内の一体感を高めます。志や信念は他者への影響力が強いため、ひとりの前向きな社員が同僚に与える良い影響が広がり、チーム全体のエンゲージメントが向上します。逆境を乗り越えるには、個々がバラバラに努力するのではなく、目標に向かって協力し合うことが不可欠です。社員全員が志を携え、共有し、経営陣と共に一丸となって多くに課題に立ち向かうことで、企業はより強固な組織となり、難局を成長の機会とすることができるのです。

女性リーダーの育成において「志」が必要な理由

 

企業内で女性活躍を推進するにおいて、女性リーダー育成の企業研修を実施する際、一人ひとりに「志」を持たせることが重要だといわれます。それは、リーダーとしての成長と、組織全体の活性化に大きく寄与するからです。志とは、目標や信念に基づく内発的な意欲であり、単に職務を果たすだけでなく、何のためにその役割を担うのかという「目的意識」を伴うものだからです。「志」を持ったリーダーは、困難な状況でも粘り強く取り組み、自らの目標達成に向けた強いモチベーションを維持します。これにより、周囲に良い影響を与え、組織全体の士気向上にも貢献するのです。

 

また、「志」を持つことにより、女性リーダーは自身の役割に自信を持ち、他者に対してリーダーシップを発揮しやすくなります。特に女性リーダーが少ない組織では、「志」を持った女性リーダーが現れることで、周囲の女性社員にとっても重要なロールモデルとなり、後進の育成や女性の活躍推進に大きな波及効果が期待できます。「志」があるリーダーの姿勢は、周囲にとって「自分も努力すれば目指すことができる」と感じさせ、企業全体における女性リーダーの育成と多様性推進も後押しするでしょう。さらに、志を持ったリーダーは、組織の目標や哲学、ビジョンやパーパスに共感し、それを実現するための具体的な行動を率先して行います。これにより、部下や同僚を積極的に巻き込み、目標達成に向けたチームワークが生まれます。「志」を持つことは、リーダー自身だけでなく、組織全体の成長と競争力の向上にもつながるため、「志」とは、女性リーダー育成においても不可欠な要素といえるわけです。

ジェームズ・アレン「人は考えたとおりの人間になる」と「AIA・心の冒険」の関係

 

ジェームズ・アレンの著書『As a Man Thinketh』(邦題:『人は考えたとおりの人間になる』)は、自己の思考が人生の結果を決定するという主題を中心に記されています。本書は、人生の成功や幸福が、環境や運ではなく、自分自身の思考と態度に根ざしていると説きます。ジェームズ・アレンは、私たちが考えることが性格や行動に影響を与え、それが最終的にその人の人生に結果をもたらすと説明します。ポジティブな思考はポジティブな結果を生み、ネガティブな思考は困難や不満を招くとされており、これを「人間は思考という種子がなければ成長しない。行動はその花であり、喜びや悲しみは果実だ」と比喩しています。思考を意識的に管理し、積極的な態度を育むことで、健康、人間関係、仕事、目標達成など、人生のさまざまな領域に好影響を与えると主張しています。さらに、アレンは「人は心の中に持つ理想によって自らを築き上げる」と述べ、人生の質を高めるためには、自己認識を深め、理想に向けて努力する姿勢が大切であるとしています。

 

ジェームズ・アレン : 著

柳平 彬 : 訳

グループダイナミックス研究所 : 監修

 

本書は短く簡潔ながら、自己成長と自己啓発の実践的な指針として、広く読み継がれています。グループダイナミックス研究所が提供する、女性リーダー育成のための「AIA・心の冒険」研修も、その人の考え方を無理なく積極的にし、内発的な意欲を持てるようにできるプログラムです。