GDIグループダイナミックス研究所自分の中にもう一人の力持ちがいる

態度的価値と女性管理職のリーダーシップ

 

ヴィクトール・フランクルが提唱した心理療法であるロゴセラピー。特にその中でも今回は、「態度的価値」を中心に考えてみましょう。この「態度的価値」は、避けられない困難や苦境に対する主体的な態度の持ち方を通じて人生に意味を見出すというものです。これを現代の企業や組織における女性リーダーや女性管理職の育成に応用することができるのではないでしょうか。これを女性活躍を推進する企業内の女性リーダーや女性管理職育成の場面で活用することは、現代の企業、組織の課題に対しても有効な解決策となり得るのではないでしょうか。

 

 

女性リーダーや女性管理職は、しばしば性別役割の偏見や多重負担(キャリアと家庭の両立)などの課題に直面します。このような状況下で、困難を他責思考に捉えるのではなく、自分自身で、どのような意味をそこに見い出し、どのように乗り越えるかという姿勢を身につけることは、彼女たちのリーダーシップの成長に直結するといえます。「態度的価値」を意識した育成は、逆境を建設的に捉え、主体的、自律的に問題解決を図る能力を高めるための重要なテーマとなるでしょう。

 

また、ロゴセラピーは「人生の意味を見い出す」ことを中心に据えています。これをリーダー育成に応用することで、女性管理職が自らの役割やキャリアの意義を再認識し、強い目的意識や哲学、信念を持ってリーダーシップを発揮できるようになります。例えば、組織の目標、目的、パーパスなどを個人の価値観と結びつけることで、彼女たちは単なる業務遂行者ではなく、組織の未来を創造する「変革の担い手」としての自覚を深められるのです。

 

さらに、ロゴセラピーにおける「態度的価値」は、内発的な動機づけを強化する効果もあります。女性リーダーが自己の可能性を最大限に引き出し、部下や同僚に対しても前向きな影響を与えるためには、逆境においても希望を失わず、企業内、組織内のロールモデルとなる事も求められます。このプロセスは、組織内の心理的安全性や信頼を高め、多様性と包摂性を重視する職場文化の醸成にもつながります。

 

具体的には、研修やセミナーなどでフランクルの考えのようなものを取り入れ、参加者に困難な状況に直面した際の自分の態度やその対応を考える場を与えたり、そこにどのような価値や意味があるかを深く考えさせるアプローチが有効です。このようなプロセスを通じて、女性リーダーや女性管理職は自身の内面を深く見つめ、リーダーとしての役割や使命を再確認することができます。

 

ヴィクトール・フランクルの「態度的価値」を人材育成研修に活用することとは、女性リーダーや女性管理職のレジリエンスや自己肯定感を高めるだけでなく、組織全体の創造性や一体感を促進する効果があるといえます。彼女たちがどのような困難にも意味を見い出し、それを成長の糧とできるようになることで、組織内でより持続可能で革新的な文化を築けるのです。