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女性管理職の比率を業界別で見る

 

女性管理職の比率・割合を業界別に見てみましょう。一般的に、医療・福祉、教育、小売・サービス業などの分野では比較的女性管理職の割合が高く、また一方で、建設、製造、IT、金融などの業種では低めです。厚生労働省が2022年に実施した調査によりますと、医療・福祉業界の課長相当職以上の女性管理職比率は、53.0%でした。生活関連サービス業・娯楽業の分類で24.6%、宿泊業・飲食サービス業で17.5%、教育・学習支援業で17.2%、製造業で8.7%、建設業で4.1%という結果でした。医療・福祉業界では半数以上が、女性管理職である一方、製造業や建設業では、女性管理職の比率・割合は非常に低いことが分かります。このように、業種によって女性管理職の比率には大きな差があり、特定の業界では、女性活躍は、重要な課題となっています。

 

それでは、女性管理職比率・割合の業種別の傾向を見てまいりましょう。女性管理職が比較的多い業種として、医療・福祉(病院・介護施設など)があげられました。女性従業員の割合が高く、キャリアの延長線上で管理職になるケースが多いことが考えられます。例えば、看護師長、介護施設の管理職などです。次に、小売・サービス業(百貨店、飲食、ホテルなど)がつづきます。この業界もやはり 現場の女性比率が高く、店長やマネージャー職に昇進しやすいのもこの業界の特徴です。これにつづくのが、教育関連(学校、塾、大学など)です。女性教員も多いことが影響しています。学校の教頭・校長、学習塾の経営者などでも比率が高いといえます。

 
 

逆に女性管理職が少ない業種としては、まず建設・不動産があげられます。男性中心の職場文化が根強いことも要因です。また、技術職や現場職の経験が昇進に影響することが多いというのも特徴です。次に製造業(特に重工業)があげられます。現場作業員や技術職の男性比率が高く、女性のキャリアパスが少ないのも実状です。IT・エンジニアリングの業種も女性活躍がまだまだ進んでいないといえます。エンジニア職の女性比率・割合が低く、その結果として管理職も少ないということになります。最後に金融・保険の業界も女性管理職や女性リーダーの進出が遅れているといえるでしょう。事務職では女性が多いが、意思決定層(経営層)に上がる女性はまだ少ないのが現状です。

全体の背景要因として考えてみますと、ひとつは業界文化の問題に関連するといえるでしょう。伝統的に男性中心の業界では、女性管理職が増えにくいといえます。またキャリアパスの問題もあげられるでしょう。現場経験が重視される業界ほど女性管理職が少なくなります。働き方についても原因があげられるでしょう。長時間労働が多い業界では、女性が管理職を目指しにくい傾向になります。

また、最近の動向としましては、政府や企業がダイバーシティ推進を強化しており、女性管理職の比率・割合が徐々に増加してはいます。特に、各業界での取り組みとして、女性管理職の育成プログラムも増えており、今後の変化に期待されることでしょう。「AIA・心の冒険」プログラムは、女性管理職の比率・割合向上を推進強化する多くの企業様にご採用いただいております。女性管理職や女性リーダーの内発的動機づけを促し、組織・企業のイノベーション創出を目的としています。

 
 
 
 
 
 
 

   

   

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