「夜と霧」の著者であるヴィクトール・フランクルが提唱した「ロゴセラピー」では、人間が自分の生きる意味を明確にする事が、精神の健康につながると考えられています。さらに「人間の根本的な欲求は人生の意味を見出すことにある」とも言っています。この理論は、現代の私たちの生活の中でも十分にあてはまる事がわかります。例えば、女性社員のモチベーション向上やウェルビーイングの実現においても非常に有用だと言えるのです。現代の職場環境において、キャリアや家庭との両立、多様性への対応といった課題に直面する女性社員が、自らの働きがいや存在意義を見つけるための支えにもなるのです。
また、フランクルは、困難な状況でもその中に意味を見つけることの重要性を説きました。女性社員が職場で直面するかもしれない偏見やキャリアの壁といった課題に対しても、自身の成長や周囲の変化を促す機会と捉えることで、前向きに取り組むことが可能です。フランクルの「どのような状況でも、人は自分の態度を選べる」という考え方は、逆境や新しい挑戦においても自分の行動を積極的に選択する力を与えます。
ロゴセラピーでは、自己超越(自分自身を超えて他者や大きな目的に向き合うこと)が重要視されています。女性リーダーや女性管理職たちが職場でリーダーシップを発揮し、チームや組織全体の成功に貢献しようとすることは、彼女たち自身のウェルビーイングをも向上させます。他者に貢献する中で自己価値を再確認できるため、働く意義が深まり、長期的な幸福感も生まれます。
さらに、ロゴセラピーは、内発的動機づけを促します。女性社員が外的な評価や報酬ではなく、自分にとって本当に重要な価値に基づいて行動できる環境は、個々の満足感を高めるだけでなく、組織全体のモチベーションや生産性向上にも寄与します。例えば、柔軟な働き方の提供や個々のキャリア目標を尊重する企業文化などは、この内発的な意欲喚起を支援する重要な要因となります。
ヴィクトール・フランクルのロゴセラピーは、女性社員が自らの人生や仕事の意味を見出し、困難に前向きに取り組む力を育む上で重要だといえます。この哲学を職場や日常生活でも改めて考えることは、女性社員のモチベーションとウェルビーイングを向上させ、彼女たちが持続的に活躍できる職場環境を実現することにつながると言えるでしょう。
「AIA・心の冒険」研修プログラムは、女性活躍推進の観点から、人材育成を行う上で、内発的動機づけを促すための人材育成セミナー、研修プログラムと言うことができます。