GDIグループダイナミックス研究所自分の中にもう一人の力持ちがいる

子育てに自信を与えてくれた子育ての学びの場

一歩一歩、焦らずゆとりある子育てを

江森 美矢子(ニックネーム:林江 都子)

 

 

      

子育てに自信を与えてくれた子育ての学びの場

  

 子育ての学びの場で学んだことは数え切れないほどあり、とても一言では言い表せません。今は、子育ての学びの場のテキスト2冊のそれこそ隅から隅まで、一言もおろそかにできないという気持ちです。子育ての学びの場に参加する前、ちょうど青少年犯罪の事件などがあり、世間では「親は何をしていたんだ」という論評がずいぶんなされていました。

 私はそれを聞いて、実はとても不安になったのです。私ならそうなる前に気づいていただろうか。どの親もわが子の幸せを願って育児をしてきたであろうに、なぜそんなことになってしまったのか。何をどこで、どう間違えてしまったんだろう。そして自信を持って「はい」と言えるだろうか…と。

 

一般に、親ならば子どものことは何だって理解しているはず、子どものことは親にしかわからない、などとよく言われます。私自身も「子どものことはすべて親の責任」と考え、そういう認識にとらわれていました。でも、そう考えながらも私は毎日の子育ての中で、本当にわからないことがたくさんあったのです。この子はどうしてこんなに逆らうのか。こういう場合には、やさしくなだめる方がいいのか。それとも厳しくしかるべきなのか。今はどちらが本当にこの子のためになるのか・・・。私は親なのにどうしてわからないんだろうと、毎日思っていたのです。そんなことをいえば、「親なのにそんなことがわからないの」「親がしっかりしなくちゃ」などと言われそうで、誰にも相談できませんでした。

 

 ところが、子育ての学びの場では、まず最初に、

 「この社会の中で子どもと関わるあらゆる職業の人(教師、医師など)はすべて専門的な教育を受けている。何も学習していないのは、親だけである。」

と、言ってくれました。この言葉に、

「ああ、そうなんだ。私はまだ何も学んでいないのだから、わからなくって当たり前なんだ」

と、ほっとしたのを覚えています。そして、少しずつ順を追って、とてもていねいに具体的に方法を示してくれました。

 

 子育ての学びの場は毎回カルチャーショックの連続で、戸惑うこともずいぶんありましたが、とても楽しみでした。今まで、子どもを思う一心でやってきたことが、子どもにとってはまるで反対の意味にしかなっていなかったこと。

自分は『いい親』だったということも知らされ、愕然とすることもしばしばでした。そして、そのたびに、

 「ああ今、気づかせてもらって本当によかった」

と、心から思いました。

 

 同じような子育ての悩みを持ち、そしてとても友好的な方々の中で、自分自身もどれだけ勇気づけられたかわかりません。これからいろんなことがあるだろうけれど、きっとこの子育ての学びの場のテキストの中に、答えあるいはヒントがあるはずだという安心感に支えられ、これまでのように氾濫する子育て本や様々な情報などに翻弄されて右往左往することもきっとなくなるでしょう。

 これが私の考え方、そしてこの子にとって最良の方法だと自信を持って言える子育ての精神のよりどころを見つけることができたことを本当に嬉しく思っています。

(実際そう言い切れるようになるにはまだまだ自分自身の訓練が必要ですが・・・)

 

                                 日々の実践あるのみ

 

 とにかく、毎日の生活の中で学んだことをひとつひとつ実践していくという気持ちを持ち続けることが大切だと思います。

それには、私自身が今のこの気持ちを忘れてしまわぬよう、常にテキストを読み返し、自分のものにしていかなければと思っています。不思議なことに、子育ての学びの場のテキストは読み返すたびに

 「あ、こんなことも書いてあったんだ」

と、いう新しい発見があり、毎回新鮮な気持ちにさせられます。

 子育ての学びの場で学んでから、私のほんの小さな変化で子どもも変わるという体験を何度かして、

 「ああ、こういうことの積み重ねなんだな」

と、感じています。

 

子どもも自分と対等の一人の人間である。これがすべての基本だと思いますが、頭では理解していても実際にそのように対応するのは難しいものがありました。ついつい偉そうにして、しまったと思うこともしばしば。

また、具体的な例になりますが、子どもが夜更かしをしてリビングで眠ってしまったときは、朝までそこで寝かせる・・・というところなどは、正しいとは思っても自分にはそこまではできないと思ったりもしました。子どもの問題だとわかっていても、放っておけない・・・ということは、実際にはまだ多くあります。つい、かわいそうだと思ってしまったり、代わりに問題を解決してあげたくなったりします。でも、そんな時には、

「この子は、将来どこか私のいない場所で同じ目にあうかもしれないのだ。その時にくじけないように、今、私が毅然とした態度で接しなければ」

と、思うようになりました。

これは、親である私の訓練次第ということなのでしょう。

 

一歩一歩、ゆとりを持って

 

 今、こうして子育ての学びの場を振り返ってみると、子育てに対する私の認識は大きく変わったと思いますが、子どもの反応はあまり変わっていないように感じました。しかし、そんなに劇的に何もかもが一変するなどということがあり得るはずはなく、まさにステップ・バイ・ステップなのでしょう。

 子育ての学びの場のテキスト『監修のことば』で、南先生は

 「子供の人間的成長と親の人間的成長は、重なりあい、もつれあって進行する」

と、書かれていますが、私はこの言葉にとても励まされました。あせらず

 「一歩一歩、子どもと一緒に自分も変わっていけばいいんだ」

という、ゆとりのある気持ちでいたいと思います。

 

最後の子育ての学びの場で、子どもの“忘れ物”が話題になりました。その時、子育ての学びの場のリーダーが、

「忘れ物をしない子に育てるのではなく、将来たとえば受験票を忘れて試験に失敗してしまったというようなことが起きた時、それを自分の責任であると、きちんと受け止められる精神力を持った人間に育てることなのです」

と、いうことを言われ、ああそうなんだ、私はそういう子ども育てたいのだと心から思いました。子どもをどういう人間に育てたいのか、それがはっきりしたのも子育ての学びの場・STEP勇気づけセミナーで得た大きな収穫でした。そして広い心で、ずっと長い目で子どもの行き先を見つめてゆける親になりたいと思っています。