GDIグループダイナミックス研究所自分の中にもう一人の力持ちがいる

参加者の声K様

出会いから20年余、AIAでの学びを実践し続ける

―56冊に増えた『成功ノート』は、わたしの宝物-

 

81歳、10年ぶりにAIAに再会

この度、10年ぶりに81歳でAIAに参加いたしました。震災以来、遠のいていたAIAで再び学ぶ喜びをいただきました。

私は60歳で小学校校長を定年退職いたしました。40年余の教職生活をはなれることになったのですが、嘱託として市の教育研究所に勤務する機会をいただきました。そして、「AIAコーディネーター」を目指して養成コースに参加し、以来、震災までの10年間、私の再出発人生はAIAとともにありました。

何よりAIAが魅力的であったのは、異業種交流の場であったことです。階級や職務内容を超えて、行政機構の人間として必要な心構えを再確認する機会となりました。それは、チームワーク、そして、リーダーシップといった、コミュニケーションの基本であり、人間尊重の心構えでした。

現在の私の生活は、この年齢まで生きる力を与えられ、希望に生きる人生への恩返しの「時」です。再びAIA参加の時機を得て、書棚の「AIA」と「ライフパワー」の古いファイルを、もう一度繙(ひもと)きました。

 

―「教育」から「啓育」へ― この時代に大切な指針

ファイルの中に『なぜ、日本は志を失ったのか』と題する、グループダイナミックス研究所・柳平彬所長の一文がありました。なにより私の心を引きつけたのは「『教育』から『啓育』へ」という文言でした。そして、『学問のすすめ」の福沢諭吉が、子供のころから「問いを学ぶ」好奇心・探究心を持って物事を観察し、この心構えに裏付けられた合理的な精神を養うことを人づくりの目的とした、という点です。ここに、日本の人づくりに関する正しい方向性・指針を感じました。

AIAのコーディネーターの役目は、「教える」ことではなく、考える機会・相互に学ぶ機会の提供であり、チャレンジ精神の陶冶です。グループディスカッションも交替制を採用(くじ棒によるメンバーの組替えとリーダーの決定システム)、それは本物の民主主義による学びのシステムです。人格を尊重し、職種・階級・役職に関係なく「一人の人間としての志」を自然に培う。教師の志が大きく問われる今、このメッセージは、私の生涯学習への気づきとなりました。

 

「成功ノート」

AIAで「成功ノート」(仕事を上手にこなすためのアイディアが浮かんだら書き入れるためのノート)を紹介されると、帰途にノートを買い求め実践しました。以来、テレビや新聞を読んでいて、興味をもったことや気づいたことがあると、何でもすぐにメモをとり、切り抜きやメモを整理して、ノートに張ったり書き留めたりといった実践を続けています。

コーディネーターとしての感想や反省、参加者の反応なども書き留めています。

書くことで記憶に残りますし、その時々のことが蘇ってくるのです。最初はメモ程度でしたが、今では56冊に達し、自分の財産のような気がしています。

 

※The Coordinator 第251号(グループダイナミックス研究所発行)のインタビュー記事に一部編集を加え、個人を特定できる情報を除いた上で掲載しています。