GDIグループダイナミックス研究所自分の中にもう一人の力持ちがいる

AIAの歴史

1950年代半ば、ボブ・コンクリンを中心に、企業内研修の専門家や教師が12人集まり、「従来の企業内研修が実践的な成果を充分に上げていない」という問題を話し合いました。その結果、人間の行動に影響を与え、具体的な行動を起こすには、意識の変革から始めなければならないことを発見したのです。そこで「いかにして実践的な効果を上げる研修プログラムを作り出すか」という課題に取り組みだしました。それから18年間の長きにわたり試行錯誤の結果、AIAという実践的体験学習、心構え変革のプログラムができ上がったのです。中心テーマは、「研修に参加する人が、自分でまず、従来の考え方を変え、心構えを変革し、パーソナリティを確立することによって、職場で、家庭で、個人生活で、よりよく生きる積極的な行動をとる」ということでした。

 

やがて、ボブ・コンクリンは米国ミネアポリスの夜間成人学校で、人間の心構えを変革する最初のコースを開きました。そのコースは、心構えの問題に焦点をあて、グループ・ディスカッションを中心として展開されるプログラムで、内容はシンプルなものでした。しかし、参加した人々への影響は大きく、受講者は1年前に登録しておかなければ、コースに出席できないほどでした。その後、研究とテスト、実験を通して、また、行動科学者、心理学者の協力を得て、約10年近くかかって、このプログラムは完成したものとして出来上がったのです。1968年(昭和43年)には、場所をハワイに移して、さらに実験がくり返されました。そこでもまた、民族、年齢、職業の区別なく、このコースが効果を上げることが確認されたのです。

 

AIAは、こうして誕生しました。ボブ・コンクリンは、このコースをより広く普及することを決めたのです。当初はIBM、ゼネラルミル、3M、ハネウェル等の研修専門家レベルのコーディネーターを養成し、その後、彼らの手によって、社員をはじめ、広く一般にも普及されるようになりました。

 

1970年(昭和45年)AIAコースをミネアポリスで本格的に全米に展開する活動を開始したのです。その結果、大企業だけではなく、中小企業、大学、高等学校、政府機関(特に教育厚生省)、地方自治体、商工会議所、YM(w)CA、刑務所など、社会の各方面で、かなり広く取り入れられるようになりました。

 

日本においては、柳平 彬が1973年(昭和48年)に、ミネアポリスで開かれたAIAコーディネーター養成コースを修了し、その後、AIAの日本語版の開発に入りました。 4年後、1977年(昭和52年)には、日本人のためのプログラムを完成し東京でAIA普及のために、その年の2月からコーディネーター養成コース開催にふみ切ったのです。 2019年(令和元年)8月末で、日本に於けるAIA導入企業は6,650社、参加者は425,399人を数えています。

▲ 写真左から、ボブ・コンクリンの協力者レオ・ハウザー、ダートマス大学出身の心理学を学んでいた方、

  栁平彬、ボブ・コンクリン。

AIA開発者の紹介

ボブ・コンクリン 

<AIAの開発者>

 

AIAを開発、主宰。米国ミネアポリスの成人教室で30年近くにわたって、AIAをはじめ、Life POWER(ストレスマネジメント)、Grow As A Pro(セールスマンシップ)など相互啓発の研修プログラムを開発・実施した。

<著書>「人生、夢を叶えなければ価値がない」(Ego‐Bionics)、「コンクリンの成功哲学」(Think Yourself to the Riches of Life)、「人間の魅力」(The Power of Magnetic Personality)、「『説得力』の神髄」(How To Get People To Do Things)他多数。

栁平 彬(やなぎだいら さかん)

<日本語版AIAの開発者>

 

1975年にグループダイナミックス研究所を創立。AIAをはじめとするボブ・コンクリン氏の研修プログラムや、心理学者で家族カウンセラーの第一人者、ドン・ディンクメイヤー博士のSTEP(子どものやる気を引き出す親のための勇気づけセミナー)などを日本に紹介し、志ある人財の育成に力を注ぐ。また、川崎と蓼科に天然温泉付きの研修宿泊施設を創設、個人と社会の活力を生み出す場を提供している。

<著・訳書>「志学のすすめ 志とは何か」「やる気を引き出す 言氣の心理学」「基本・人づくり」「こう言えば良かったのか!」「子どもにやる気を起こさせる方法」「企業家精神」「TEXTBOOK OF SALESMANSHIP」他多数。

AIA開発者からのメッセージ

―「心のアドベンチャー」をしよう―

 

 

日本でAIAの普及をはじめた当初、ボブ・コンクリンおよび栁平彬が発信したメッセージをご紹介します。開発者たちの当時の想いに触れていただければ幸いです。

(1978年4月20日グループダイナミックス研究所発行『AIA NEWS』より抜粋)

 

 

■「自分を発見して心の戸を開きましょう。」 ボブ・コンクリン

 

 日本のみなさん こんにちは。私はアメリカのパーソナルダイナミックス社のボブ・コンクリンです。AIAの歴史は、1950年半ば、アメリカのある訓練会社の12人の人々が、人間の行動とその効果を変えるには、まず、その人の考え方を変えることであるという発見をしたのが始まりです。AIAの根本的前提条件は「あなたは今、心の中に力とエネルギーと想像力のとてつもなく大きな源を埋もれたままにしている。」ということです。この埋もれた世界を人間はみな探し発見しなくてはならないのです。AIAは発見の旅なのです。自分を発見し、心の戸を開きましょう。そこからは人生の富と豊かさとがあふれ流れるのです。

 人生の成功の秘訣は何でしょうか。四千年前のヒンズー教の聖人の言葉にそれは隠されています。「人間は自分の考える通りの人間になっていく。」考えこそが、自分という存在を形作り、あなたの人生と運命を形成するものにほかならないと語っているのです。

 さて、人間は限りない力を秘めた心を持っています。心は人間のパーソナリティ、情況、人生に対しての大きな影響力を持ち、自分の願望を知覚し、信じ、達成する力を持っています。つまり「人間は自分の考える通りの人間になっていく」のです。人生の全ては現実に思考の中で行われているのです。あなたの人生の指揮者はあなた自身なのです。さあ、自己発見の旅に出発しましょう…。

 

 

「心構えはパーソナリティの中心的存在である」 栁平 彬

 

 アメリカの著名な心理学者であり哲学者であるウィリアム・ジェームズは「今世紀最大の発見は、人間は、心の内にある態度(心構え)を変えることによって、その人生を変えることができる。」といっている。

 人間は心構え次第で大きく変化する。自分自身の思考や感情を決定するばかりでなく、自分の周りの人々に積極的か消極的かいずれかの影響を与え、その結果、自分自身が建設的な人間になるか、そして、最終的には、人生に成功するか失敗するかは、心構えによって決定するのである。そして、こうした心構えがひとかたまりになって、実際に、我々がどんな人間であるのかを決定することになる。つまり、心構えとは、人間のパーソナリティ全体を作り上げている中心的な存在であり、ある一定の繰り返しによって条件づけられた思考の無意識の反応なのである。そして、この反応の現れそのものを態度と呼ぶのである。

 心構えが流動的で、常に開放されている人にとっては、それ自体が人間的な成長を意味しており、修正が必要とあらば、直ちにそれが行われるような人こそ、自由で魅力的な人間であるといえるだろう。

 一方、心構えが流動的でなく、ワクにとらわれている人にとっては、それ自体が人間成長の中止を意味し、かたくなな態度を固持することになる。

 したがって、自己改善とか性格改善などといわれるようなことも、この心構えを変えることから出発しなければならない。心構えを変え、より積極的で肯定的な習慣が身につくようになって、初めて、その目的が達成されたことになるのであろう。