組織改革でキャリア・チェンジに臨む従業員の自律心を養う
(導入の経緯)
当社は、グループ企業全体の人財育成を担う会社です。元々AIAは、中堅技能職研修や営業研修等に組み込まれ、社内に定着していました。最近では、グループ内の人財流動化に伴う再配置で、職場や職種が変更する従業員向けの研修として活用しており、AIA単独で実施することもあれば、長期研修の一部として冒頭に組み込むこともあります。後者の場合は、その後の様々な研修に意欲的に取り組むための、いわば“地ならし”としての効果が期待でき、他のプログラムとの反発が少ないので、研修担当としては大いに助かります。
AIA導入のメリットの第一は、積極的な思考と自律心が養われることです。新しい職場や仕事に従事する際は、先の見えない不安や無力感に捉われた状態でいることも多く、会社としてはこのような不安を少しでも軽くした上で、新たな環境で活躍することを期待しています。その点、AIAは徹底したグループディスカッションを通して、全ての課題を自らが考え、答えを導き出し、発表する形式なので、プログラムを通して自然と自律心を促す構造になっています。つまり、正解を示したり知識を付与するだけの「教育」ではなく、潜在的な力を引き出す「啓育」であることが最も大きな魅力だと考えます。
第二は、総合的な人間力を培える内容・構成であることです。日常の場面で遭遇する普遍的なテーマ (聴く、伝える、説得する、問題を解決する、目標を立てる、自己を理解する、相手を理解する、信念を持つ、愛する など)を幅広く扱い、様々な設問やロールプレイング、ゲームがバランス良く組み立てられています。また、全員がグループリーダーを経験するので、聴く力、伝える力、まとめる力が身につき、リーダーシップを体得することができます。
第三は、元氣になることです。最初は緊張の面持ちだった参加者同士が初日の後半にはすっかり打ち解け、ディスカッションも非常に活発になっていきます。相互に元氣よく挨拶するようになり一体感が生まれ、場の雰囲気が明るくなっていく様子が傍目にもわかりました。
(効果)
参加後のアンケートから、それぞれが深い気付きを得たことが分かります。
新しい職場の上長からも、周囲と良好なコミュニケーションを築きながら活躍しているという話をきいて、AIAの効果を実感しています。
<参加者アンケート(抜粋)>
・自分の中に、気付いていなかった長所があることに気付き、それを伸ばしていくことで自信につなげることができそうに感じた。一方、短所だと思い込んでいたことについても、見方や考え方を変えればプラスの方向に転化させることができることを学び、劣等感を払拭できると感じた。
・忍耐力について学んだ。忍耐力とは、ただ我慢するだけのものではない。「他人の行動に対して安易に判断を下さない」ことでもあり、「次のチャンスを待つ」ことでもある。忍耐力がつけられるよう努力していきたい。
・信念は簡単に固まるものではない。日々の営みに前向きに取り込む中で形成されるものだ。信念がやる氣を生み、やる氣によって実行された行動が信念を強固なものにしていく。そのために自己宣言を有効に使っていきたい。
(今後について)
AIAでは、自らの志(こころざし)を自己宣言という形で言葉にします。そして、自己宣言を何度も読み返すことにより、信念がより強固なものとなっていき、目標実現への原動力となります。今後はAIAのフォローアップとして、研修時に作成した自己宣言を見直し、ブラッシュアップしていくような場をつくっていきたいと考えています。