AIAとは
■ AIAの誕生
AIAは1970年に米国で誕生しました。1950年代に、ボブ・コンクリンを中心とした研修の専門家が、「従来の企業内研修が十分な成果をあげていない」という問題について話し合い、18年間にわたる試行錯誤の結果完成させた、人間的成長のための実践的体験学習・心構えの変革プログラムがAIAです。
日本においては、栁平 彬が1973年、ミネアポリスで開かれたコースを修了し、その後、約4年の歳月をかけてAIA日本語版を開発、現在に至ります。
(詳細は「AIAの歴史」をご参照ください)
■ AIAは心の冒険旅行
AIAは"Adventures in Attitudes" の略語で、「心の冒険」と訳しています。
私たちの誰もが、明るく、健康で、心豊かに生きたいと願っていますが、気づかない間に既成概念や固定観念で物事を捉え、つい消極的な判断や評価を下してしまうことがあります。このことに気づいて、積極的な心構えへと変革していくことは容易ではありません。長い間の習慣で考え方ができあがっているからです。その困難に挑戦し、私たちの心の中にある未知の領域、ポテンシャルを発見する冒険旅行がAIAなのです。
考え方のクセ
人間の考え方とは、繰り返している間にクセとなります。考え方のクセとは心の持ち方、すなわち心構えになります。消極的な心構え(attitudes)は消極的な感情を生み出します。積極的な心構えは積極的な感情を創ります。そして、その感情があなたの行動のあり方を決め、さらには人格さえ決めてしまうのです。AIA・心の冒険では、考え方のクセを積極的にすると同時に、創造思考へと意識の変革を行います。
AIAによる心の変化のプロセス
■ 内的意欲を引き出すアプローチ
AIAは人生における7つの側面(「志事(仕事)力」「社会力」「家族力」「知力」「健幸力」「精神力」「経済力」)からのアプローチにより、生き方の哲学信念・志を明確にすることで、内的意欲(内なるやる氣)を引き出します。
また、グループダイナミックスという手法を使って意識を変革していきます。
AIAにはコーディネーター(進行・調整役)がいるだけで、知識や正解を教え伝える講師は存在しません。参加者同士がお互いに影響を与え合い、心のふれあいを深めるなかで、自らの気づきにより学びを深めていきます。
7つの側面からのアプローチ
AIAのねらい
■ 能力をフルに活かす
AIAの創始者であるボブ・コンクリンが、プログラムの普及にあたって貫き通してきた思想の根底には、"Full Utilization of Mediocrity"(普通人の能力をフルに生かす)という主張があります。AIAは「すべての人々が、ある一定の理想的な人物になる」ことを目指しているものではありません。各人が自分のパーソナリティーに合った方法で個性を磨き、生きる目的を考え、自信を養い、内発的なやる氣を起こすことで、潜在能力を十分に発揮できるようになることを目的としています。
AIAはそのための考え方を学びとる場を提供しているのです。
■ よりよく生きるための自己イメージを確立
コンクリンの思想は、ウィリアム・ジェームズ(米国の哲学者・心理学者)の影響を強く受けています。ジェームズは、「今世紀の最大の発見は、人間は心構えを変えることによって、その人生を変えることができることを知ったことである」と言っています。また、「哲学はビジョンである。哲学の主な機能は、人間の精神を偏見や先入観から開放し、周囲の世界に対する見方を変えることにある」とも言っています。
AIAは上記の考え方に基づき、自分自身を偏見や先入観から開放することによって、よりよく生きるための自己イメージを心に描き、潜在能力を十分に発揮できることを可能にするプログラムです。
■ 心の中の「抵抗器」を見つける
AIAには、心の強さ、他者に対する影響力、人間関係を広げる能力、実行力、目標創造能力、感情のコントロールなど、人生を充実させるのに役立つ特性を身につけ、強化する目的もあります。
人間の心にはコンピューターと似た働きがあります。コンピューターは、与えられた条件に対して次にどう行動すればよいかを判断しますが、それは、人間がプログラムを記憶させているからで、コンピューターはプログラムどおりの結果を出します。
人間の心でコンピューターのプログラムに相当するのは、人や物事に対する考え方が習慣になった状態-心構え(Attitudes)といえます。そのため、心構えは人間の感情や行動、人柄や人間性などをコントロールして、人生にいろいろな影響を与えていくのです。
自分の可能性や能力について消極的な心構えをもっていると、心の中に「抵抗器」を作り上げてしまい、能力を十分に発揮できません。AIAは心の記憶装置の中にある「抵抗器」を見つけ、取り除く手助けをします。
今なぜAIAなのか
グローバルな競争の中で、伸びる組織、衰退する組織の差がますます広がっているといわれています。このことは、個人についても言えるようになりました。そのため、組織においては、個人の意識変革こそが、ビジネス環境の激変に対応していく上で欠かせないことに気がつきはじめました。また、ちょっとした失敗や、何気ない他人の一言で、気分が落ち込み、なかなか脱出できない人が目立ってきています。挫折経験や相談相手が少ないといった個人的な事情に加え、少しのミスにもカリカリする社会的な風潮が強まっている背景もあります。
そうした中で、働く個人が人生を力強く、ストレスを乗り越えて生き抜く力が必要になってきました。今日の最も大きな経営課題の一つは、いかに個人のやる気を引き出し、組織を活性化させるか、とういう点にあります。
また、組織の価値を持続的に創出していくためには、人的資本経営が重要だといわれています。
国内企業では、質的、量的な生産性向上のため、従来のメンバーシップ型雇用制度からジョブ型雇用制度への切り替えを進めるところが増えています。このことに伴い、ビジネスパーソンのリスキリング(学びなおし)は不可欠であり、自主的に学び行動する「自律型人財」の育成が急務となっています。キャリア自律の意識を育むには、内的意欲を喚起し、仕事に対する哲学信念、志を明確にすることが必要です。
AIAは、本人の内的意欲を引き出し、意識変革を起こすよう緻密に構成されたプログラムです。直面する問題に対応できる方法を、一人ひとりが自らつかみとる研修で、まず生きがいの土台をつくり、その上で生涯設計を組み立て、働きがいを築くよう構成されています。個人の内なるやる氣が喚起されると、創造思考が促され、絶えずイノベーションを起こす組織づくりに役立ちます。
意欲の構造
これまで組織は、「知識や情報レベルの向上」に対しては、費用や時間を投じてきました。しかしながら、環境の変化が激しく先行きが不透明な時代にあっては、「心構えや志、創造力や企業家マインドの醸成」という土台づくりこそが、長い目で見たときに、組織の価値を高め、成長をもたらす原動力となることでしょう。
AIAは、まさに中・長期的な人財育成に貢献することができる研修プログラムなのです。
AIAの特長
■ 確かな内容
約20年にわたる実証実験と長年の実績に裏打ちされた、高度に体系化したプログラムです。人生に対する深い洞察を促す70のテーマ、700以上の質問で構成され、繰り返し繰り返しディスカッションすることで、自分自身の心の持ち方を発見していきます。また、ロールプレイ、自己分析、ゲームなどが随所に織り込まれ、飽きずに楽しく学ぶことができます。
参加された多くの方から、「自然に意識の変化が起き、行動に影響を与えた」「相手の話をよく聴くようになり、コミュニケーションが円滑になった」「自分の可能性に気付いて元気が湧いてきた」などの高評価をいただいています。
(ご感想はこちらをご参照ください)
■ 相互啓発による自然な変革プロセス
コーディネーター(進行・調整役)がいるだけで、一般にいう講師は存在しません。
一方的な講義スタイルではなく、参加者主体の相互啓発・実践の学習技法のため、強制・圧迫感がなく、ごく自然に心構えの変革を促します。
■ 効果が持続
ゼイガルニク効果(ある程度中途で終了した方が印象に残り強く記憶するという効果)を活用した独特な進行方法に加え、終了後も効果測定のツールが用意され、定期的なフォローにより効果が長続きするよう工夫されています。
■ 生涯にわたり役立つ
AIAは元々生涯学習として使われていました。仕事だけではなく、家庭、個人の生活を含めた人生全般の課題や生涯設計に役立ち、学びは一生を通じての財産になります。
■ コーディネーター資格の取得が可能
AIA修了後、「コーディネーター候補養成コース」に参加することで、コーディネーター登録・認定が可能となり、地域社会や組織内でAIAを開催することができます。
組織内で研修を展開する場合は、職場の状況に合わせて、スケジュールや会場を自由に選ぶことが可能です。会場のセッティングもシンプルで、黒板やプロジェクター等の機材は不要。机と椅子があれば実施できます。
■ 良心的な価格
一般的な研修に比べて良心的な価格設定となっています。
とくに、上述のとおり組織内のコーディネーターがAIAを開催する場合は、教材費のみの負担となりますので、一人あたりの研修費用を抑えることができます。
プログラムの全体像
AIAは、全26のユニットで構成されており、1ユニットが約50分、合計23時間の参加者主体による相互啓発の研修プログラムで、公開コースは通常、2泊3日のスケジュールで行われます。進行役のコーディネーターがサポートします。
1ユニットは複数のプロジェクトから成り立ち、有機的に関連したトータルで70のプロジェクトから構成されています。私たちが人生で出会う様々なケースを取り上げ、ケースに関連した700以上の質問について、グループディスカッションやロールプレイ、ゲームなどを体験しながら考えを深めていきます。
各ユニットのテーマ一覧