GDIグループダイナミックス研究所自分の中にもう一人の力持ちがいる

【企業④】IT関連職場の活性化を目指して

■総合研究所 人事部 主任調査役

(導入の経緯)

当社は研究開発、科学技術のプロフェッショナルと、コンピュータシステムを構築するシステムエンジニアを多数抱えており、社員の8割はコンピューシステムの仕事に携わっています。

ITの世界は技術の進歩発展が目覚しく、技術教育を主体にカリキュラムを充実させ、多くの資格取得者を輩出してきました。このように教育を充実させ技術力を高めてきた反面、各職場の活気がなくなってきたように感じていました。上司と部下はちゃんと話をしているのか、上司は部下の話を聴いて指導しているのか、部下は上司の意図を把握しているのか、一人ひとりが意気揚々と仕事をしているのか。個々の技術力は向上しても組織としての力は向上していないのではないか、このことを疑問に感じるようになりました。

やる気をもって仕事に取り組むには、自分の仕事を好きになり、使命感をもつことが必要です。そうすれば自然とコミュニケーションも活発になり組織も活気づくでしょう。そのためにはハードではなくソフト、つまり技術ではなく感性に重点を置いた教育を実施しなければ組織は廃れていく、と考えるようになりました。

いくつかの研修プログラムを比較検討しましたが、AIAの導入実績と、参加者同士のディスカッションを主体とした本人の気付きを促す組み立てになっていることに興味をもちました。日常の業務が受動的になることが多い中で、自発的・能動的に行動し気付きを得ることは重要なことだと考えたのです。

こうして、初年度は広く社内から参加者を募り実施し、翌年度は管理職への昇格者全員に対して実施しました。

 

(効果)

これまでに社内のオープンコースを4回、管理職昇格者対象に2回実施しましたが、対象者によって雰囲気が変わるように感じました。年齢層に幅のあるオープンコースでは自由闊達な雰囲気を感じ、世代を超えてお互いを理解しあう気持ちが育まれるようでした。

同世代が集まる管理職昇格者では、日頃顔を合わせない方と話ができてよかったという声が多く、横のつながりを密にする効果があると思いました。いずれにしてもAIAは参加者から髙い評価を得ており、「人の話を聴くよう努力するようになった」「忍耐力について考えるようになった」という声をききます。特に忍耐力については誰しもが意識するようになったと思います。

 

(今後について)

論理的な思考が強い技術者がAIAに参加すると、最初のうちは一つの正解を探そうとしているように見えます。それがディスカッションを重ねるうちに正解が無いことに気付き、「感性」の重要性を知るようになるのではないかと思います。

「技術偏重の研修では組織は衰退していく。もっと組織を活性化したい」という想いからAIAを導入しましたが、まずは500人の参加を目標に開催していきたいと思います。